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 様々な療法
うつ病の精神療法

 うつ病は薬物療法と十分な休養が回復への道標ですが、
 うつを招いた原因は何なのか、どんなことがきっかけになったのかを
 きちんと把握し、自分の心を見つめ直すために、精神療法を行います。

 ですが、患者さんに精神療法が必要かどうかは医師が判断します。
 精神療法での効果を上げるためには、医師と患者さんというより
 人間と人間の心の交流ですので、医師に心を開けていない状態での
 精神療法は適切とはいえないのです。


一般精神療法

 この療法はうつ病治療の中心となっており、広く用いられています。
 一般療法には次の療法があります。

 一般療法は精神分析とは異なり、患者さんの深層心理に踏み込んで
 感情や考えを分析しないのが特徴です。

 @支持的療法

 医師は患者さんがリラックスして話せるよう絶えず友好的に接し、うつ病の
 原因を探り心の危機から脱する方法を見いだすための助言をします。

 ですから、患者さんを責めたり否定するようなことはありません。

 A表現的療法

 患者さんがこれまで心の中に押し殺してきた感情をことばにすることによって
 不満や怒りを発散させて心の重荷を取り除く方法です。


心理療法(カウンセリング)

 心理療法は臨床心理士などのカウンセラーが患者さんの話を共感しながら
 聞き、言葉ひとつひとつに耳を傾けて、患者さんをありのままに受け入れて
 うつ病になったきっかけを探り、
 自分で問題を解決できるよに心理面で手助けします。

 また、初めてのカウンセリング時は、少し長めに時間をとって様々なテストを
 実施する病院もあります。

 下記に参考例を挙げてみました。

 @言われた絵を描く

 ・実のなる木の絵
 ・もう一度、実のなる木を描く
   ※どんな場所にあるか、描いてみてどうか等の質問
 ・人間の絵
   ※誰を思い浮かべて描いたか、描いてみてどんな感じか等の質問

 A記入テスト

 ・「私は〜である」「好きな場所は〜である」等の様々な言葉の穴埋めを
  します。

 B質問に答える

 ・質問に対して「はい」「どちらでもない」「いいえ」を選びます。

 Cロールシャッハテスト

 ・10枚の絵を見て、自分の思うままに答えます。

  ※その絵は何の絵か
  ※何故、どこがそう見えるのか
  ※父・母はどの絵に当てはまるか
  ※自分がどの絵に当てはまるか
  ※一番気に入った絵
  ※一番嫌いな絵
  ※テストの感想




 このテストは、2時間近く時間を要することがあります。

 また、テストには的確な答えがあるわけではありません。
 ですから、自分の思うまま、正直に答えるのがベストです。
 その際、心理士は患者さんの言葉を聞き漏らさないよう、こまめにメモを
 取ったり患者さんの任意でテープに録音する場合があります。

 また、初回から2,3回目までは「仮面接」として用意してあり、
 心理士と面接を行います。

 その後、このまま心理療法を継続するかの是非を医師から問われます。
 継続が決まったら毎週1回・約50分のペースでカウンセリングが始ます。
 不安事、不満、愚痴など自分の思いつくままを心理士に伝えます。
 その時も患者さんの任意で録音する場合があります。

 焦らず、少しずつでも言葉に出して話してみましょう。
 心理士に本音で話すことによって、少しでも気持ちがスッキリすると思います。

 ただし、カウンセリングは身の上相談ではありませんので的確な
 アドバイスを心理士から受けることはありません。

 あくまでも、自分自身で問題を解決するもので、心理士はその手助けを
 するのです。


森田療法

 1920年代に精神科医の森田正馬氏が考案した精神療法で、
 主に神経症の治療に用いられます。

 この療法は不安や恐怖を排除するのが目的ではなく、事実として
 受容することは治療に繋がるという考え方です。

 うつ症状では「あるがままに受け入れなさい」とアドバイスします。
 また、気持ちを落ち着かせ、自然に身を委ねる方法を指導することで
 不眠症改善の効果もあげています。


行動療法

 行動療法は原因追及よりも行動そのものを問題視して、
 症状を改善する療法です。

 乗り物が怖い、強い不安を感じる「乗り物恐怖症」など、「〜すると耐え難い
 苦痛に襲われる」といった望ましくない条件づけを再学習することによって、
 恐怖感や不安感をなくし正常な行動の感覚を取り戻していくことが目的です。

 この療法には様々な技法がありますが、代表的なものでは、
 「系統的脱感作」といわれるものです。

 これは、不安の起こりやすい場面を、不安の強い順に点数化し、
 点数の低い場面から順に想像して少しずつ不安に慣らしていくものです。

 この行動療法も医師の判断によって行われます。


認知療法

 うつ病になると、物事を過度に悪い方へ悪い方へと考え、
 ますます自分を苦しめることになります。

 そうした考え方、見方を「認知のゆがみ」と言い、
 そのゆがみを修正することが目的の療法です。

 この療法は医師と患者さんの面接というスタイルで進められます。
 両者で認知のゆがみを探し、ひとつひとつ検討し、よく話し合います。

 患者さんが認知のゆがみに気付くことがポイントで、医師の力を借りながら
 段々と柔軟な考え方、行動ができるようになっていきます。
 そして、何か問題が起こっても自分でゆがみをコントロールできるように
 していくのが最終目的です。

 なお、この認知療法は医師の指導のもとに自宅で行っても効果のある
 方法です。


グループで行うデイケア

 デイケアは、グループ活動をすることによって人間関係を築いて、
 前向きに生きる力を回復させることが目的として行われています。
 その内容は、スポーツ・園芸・料理教室など実に様々なメニューがあります。

 うつ病患者さんは人との付き合いを極力避けるようになりますが、
 それでも興味があれば見学し、自分が納得できた上で、
 週に1回、月に2,3回でも参加することができます。

 ただし、デイケアを併設していない病院もあるため、地域の保健所、
 精神保険福祉センターで問い合わせてみてください。

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